top of page

エストニア・キフヌ島のクルト

  • 執筆者の写真: Yu
    Yu
  • 2020年2月16日
  • 読了時間: 5分

今回はエストニアにあるキフヌ島のクルトというスカート。

キフヌ島の旅行記とあわせて、クルトのお話をします。


目次的なもの(リンクじゃない!)

  1. クルトを知ったきっかけ

  2. キフヌ島へ行けることに!

  3. 現地でクルトを購入

  4. いつ着るか


クルトを知ったきっかけ


「たろっぺ(私のこと)の一部は”地球イチバン”で出来ている」 


旅友達に言われた言葉。地球イチバンとは、以前NHKで放送していた番組。2013年の第3シリーズあたりから見ていたと思います。もうNHKのサイトにいってもあまり情報が残っていないです。


その「地球イチバン」で印象に残っている回が2つ。

 コンゴ共和国の”サプール”

そして

 エストニア・キフヌ島の”クルト”

でした。


番組で紹介していたクルト、島で女性たちが作る伝統的なスカートです。漁や出稼ぎで男性たちは島をほぼ出てしまうため、残った女性たちが羊から毛糸を紡ぐところから始めて、スカートを作っていきます。赤が主体の縦縞模様。


赤い服が好きな私はすっかり魅せられてしまい、あぁ欲しいなぁクルト。行ってみたいなキフヌ島。


まぁでも…行けないんだろうな。エストニア。そして離島だし。


現実的に切望するわけでもなく何年か過ぎた頃、バルト三国を旅する話が持ち上がりました。

そう、映画「杉原千畝」を観て、リトアニアに行こう!今行かなくていつ行く!

そんなノリで決めたのでした。


バルト三国の中にはエストニアが。エストニアと言えば


キフヌ島が。


あらーこれは行くしかないな。この機会を逃していつ行くか。絶対ない。


この提案をしたら友達に言われたのが冒頭の言葉です。


キフヌ島へ行けることに!


エストニアのリガ湾に浮かぶ、国内で7番目の大きさの小さな島がキフヌ島。人口は500人くらいしかいません。

私達はGWに行ったので、本土から行く手段としてはムナライド港からフェリーで渡る方法だけでした(夏季はパルヌ港から船も出ているそう)。


首都のタリンからパルヌという街までバスで移動し(バルト三国はバス天国なので、ほぼバスで移動した)、パルヌから更にタクシーで50分ほど移動してムナライド港へ。

そこからフェリーで1時間ほど。



島にホテルはなく、基本民泊。スーパーやレストランもほぼない。本土で買い込んで渡る必要があります。パルヌには駅の近くにショッピングモールがあり、そこにスーパーがあるので、そこで買い出しをしてから行きました。


宿はKuragaという所を取っておきました。事前に連絡しておくと、Olegaさんというオーナーの女性の方がキフヌ港まで迎えに来てくださっていました。


一度部屋に行ったあと、Olegaさんが「ぜひ散歩でもしていらっしゃい」というので、島の南端にある灯台まで散歩することにしました。「大体1時間もあれば着くかしらね」

時間的には日の入りまではまだまだ余裕のある時間。


宿から灯台まで、ほぼ1本の道のりでしたが、往復しても誰ともすれ違いません。


キフヌ島の南端にある灯台
キフヌ島の南端にある灯台

家はポツポツあるけど、人が全然いない(家の中にはいると思われる)。


聞こえてくるのは飼い犬の鳴き声と、風の音のみ。


街灯もなさそうなので、きっと夜も真っ暗。


ひゃーすごいところに来たな(いい意味で)。



風の音しかしないってさ。

キフヌ島でごろ寝
島で寝そべる。何時間でもこうしていられる。

世界にはこんな場所があるんだ。


初めてそう思う場所に来ました。


現地でクルトを購入

宿の女将、Olegaさんに「クルトを買いたいのだけれど可能か」訊いてみたところ、そういう店はないけれども、博物館で聞いてみるといい、と言われたので、翌日に「キフヌ博物館」へ行きました。


天気もとても良く、宿では自転車を貸してくれたので、灯台経由で博物館へ。




キフヌ博物館
建物もめちゃくちゃかわいいキフヌ博物館

「地球イチバン」でもクルト博物館は紹介されていました。

※写真は2017年に撮影したもので、現在は壁がデコレートされていて、もうちょっと派手な模様です。



キフヌ博物館のクルト
博物館内で展示されているクルト

クルトは各家庭の手作りで、ひとつひとつ違いがあります。

小さな子供からおばあちゃんになるまで成長に合わせて作られ、生活に密着した服なのです。

若い女性ほど赤が多く、年を重ねると黒などの配色を増やす、と伺いました。


写真にはないですが、喪に服するときは青と黒のクルトを履くそうです。


博物館には売店があり、クルト素材の雑貨などたくさん売っています。

そして本物のクルトも数着ほど販売されていました。



「日本からクルトに憧れてきました」

こんな会話をしたようなしないような、店員さんが何枚か試着をさせてくれました。


クルトは、


頭から被って、脱ぐときは足から抜く。


スカートのように足から履いてはダメ! 注意されました。

「常に頭から足。上から下。わかりやすいでしょ?」


ついつい足から履いちゃいます。スカート感覚だと。


北欧圏の女性のお尻って、大きい人が多い。きっと気候と食べ物のせいだと思います。だから小さい(海外の人から観たら子供のようなもの)私に合うサイズはないと思っていました。


ところが試着したウチの1枚がピッタリ。


「あら、これアナタにピッタリね!」


お値段はちょっと高め、1着1万8千円ほど。


「せっかくこのためにここまで来たんだし、ここで買わなかったら絶対に手に入らないよ」


買わせ上手の友人の言葉に


「ですよねぇー!」


とあっさり購入。



クルトを履いた私達
右がOlegaさん、真ん中がOlegaさんのお母さん、左が私

購入後宿に戻って、女将のOlegaさんに見せたところ、すごく喜んでくれて「それを着て一緒に写真撮りましょう!」と言ってくれました。


別の建物にいたOlegaさんのお母さんも呼んで一緒に撮りましょうってなったんですけど、お母さんは


「今クルト履いてないから恥ずかしいわ」


といって、程よく隠れる位置に立つことに。


たまたまお母さんはこの時履いていませんでしたが、道中ポツポツと見かけた人たちは皆クルトを履いていました。

本当に普段から履いているんだ~って、ちょっと感動。



いつ着るか


さすが北欧、網目もぎっちりで重みもあるこのスカート。日本の冬に履くとそこそこゴワッとしてイカツイし


暑い。


ほんとさすが北欧。


なのでしばらくタンスの肥やしになってしまいました。もったいない!


ですが一昨年くらいから年末年始をヨーロッパで過ごすことになり、チェコ・ドイツ・ハンガリー・ポーランドなど、北欧まではいかないけど


冬わ、さむいよぉぅ


のエリア。


なので、クルトを持っていってます。冬のヨーロッパでめっちゃ重宝してます。


クルト履きに、年末年始はヨーロッパかな!っていう、なんだよその理由は。

って感じで計画するのもありかと思いました(ない)。

Comentários


selfie by chappie

About Me / O mnie

海外旅行、特にポーランドが好きなアラフィフ。

2014年には会社を2ヶ月有給で休んでワルシャワへ短期語学留学。この時の信念が「大抵のことは絶対に何とかなる」。

​あらゆる小さなトラブルを乗り越え、その先の旅の幅がぐんと広がった(気がする)。

​ポーランド語の勉強は40歳で始めた。過酷です。

© 2020 by mallowe Lubię Polskę
bottom of page